消費されるアイコンと、泥臭い情熱の記憶。

書籍『チェ・ゲバラの遥かな旅』 戸井十月とブックカバー。

雑貨屋の隅で揺れるTシャツや、壁に貼られた色褪せたポスター。

今やポップアイコンとして都合よく消費されているその顔の裏側に、どれほどの熱と血が流れていたのか。

チェ・ゲバラの遥かな旅』 戸井十月

スマートフォンの画面をスクロールすれば、世界の悲劇も、薄っぺらいニュースも、すべてが数秒で消費されていく。

時代は恐ろしいスピードで進んでいるように見えて、実は同じような愚かな歴史が、形を変えて繰り返されようとしているだけなのかもしれない。

効率よく生きること。

賢く、スマートに立ち回ること。

現代社会が押し付けてくるそんな「正解」に、時折ひどく息が詰まる。

だからこそ、深夜の静かな空間で、あえてこの重たい活字に向き合いたくなる。

彼が南米の土を踏みしめ、喘息の発作に苦しみながらも手放さなかったもの。

それは決して綺麗な理想論などではなく、血の匂いがするほど泥臭い「愛と情熱」だった。

我々が今の時代に本当に渇望しているのは、検索すれば1秒で出てくるような答えではなく、彼のような火傷しそうなほどの情熱なのかもしれない。

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